幼少期から微小生物に夢中で「家中をガラス瓶だらけにした少年」

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アルシド・ドルビニーは、幼い頃から自然や海の生き物に強い関心を持っていたと伝えられています。
確かな証拠があるわけではありませんが、「家中のガラス瓶が標本でいっぱいになった」という逸話が語られることがあります。実際にそこまでの状況だったかは不明ですが、彼が小さな貝殻や微小生物に夢中だったこと、そして家庭環境そのものが博物学への興味を後押ししていたことは史料からも読み取れます。

ドルビニーの家では、兄弟のうち数人が自然史に関心を持ち、自然観察を日常的に行う雰囲気がありました。
そのため、彼が海で拾った貝殻や小さな標本を持ち帰ってきても、それを特別なこととして扱うよりは、自然な成長の一部として受け入れていたようです。家の中に顕微鏡や標本が並ぶこともあり、静かに観察する活動が日常の中に溶け込んでいたと考えられます。

幼い頃からのこうした環境が、のちにドルビニーが有孔虫の研究へと進む土台になりました。微小な世界を丁寧に観察し、小さな違いを見逃さない姿勢は、幼少期から育まれていたものだったのでしょう。

自然に触れる機会が身近にあると、子どもの興味はゆっくりと広がっていきます。
部屋にひとつ、自然に関する絵や標本のイメージがあるだけでも、そこから関心が芽生えることはよくあります。ドルビニーのように、小さな好奇心が将来につながっていく例は、今も昔も変わらないのかもしれません。

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作者紹介

Alcide d’Orbigny(アルシド・ドルビニ)

Alcide Charles Victor Marie Dessalines d'Orbigny 

生年:1802年、没年:1857年。専門分野:博物学、古生物学、地質学、分類学

特に彼が関わった図版の魅力は、科学的正確性と芸術的表現が見事に融合している点にあります。彼自身が非常に緻密な観察眼を持ち、詳細なスケッチや記述を残しました。それらを基に、エドゥアール・トラヴィエのような一流の博物画家が原画を制作し、当時の最先端の印刷技術である多色刷り石版画で再現されました。 これにより、例えばオオハシの図版に見られるような、種の特定に必要な身体的特徴(嘴の形、羽毛の色彩、模様など)が極めて正確に描かれている一方で、生きた姿を彷彿とさせる自然なポーズや生命感あふれる表現が両立しています。

■おもな業績

  • 南米探検(1826–1833年)
    フランス政府の支援で南米(アルゼンチン、ボリビア、ペルーなど)を探検し、動植物・化石・鉱物などを大量に収集。
  • 「地質年代」概念の提唱者の一人
    地層に基づく地質時代の区分(地質年代)を体系化し、後の地質学に大きな影響を与えました。
  • 膨大な分類学的記述
    特に有孔虫(微小な海洋生物)の研究で知られ、数千種を記載しました。

■その他

  • フランス国立自然史博物館で研究を続け、多くの標本を収蔵。
  • 彼の名前にちなんだ種名(例:Orbignya)も多数存在します。