説明
英国王室が愛した「家族の肖像」:バーバーが描く犬たちの物語
本コレクションは、ヴィクトリア女王の寵愛を受けた宮廷画家チャールズ・バートン・バーバーによる、犬の肖像と情景画の傑作3選です。
大英帝国の象徴としての品格を描いた《Darnley》に始まり、空間と役割の対比を示す《Noble》、そして「家族」としての絆を象徴するパグの仲間たちへ。この3点は、犬たちが「忠誠の象徴」から「親密な家族」へと移り変わっていく、ヴィクトリア朝の精神史を辿る旅でもあります。全作品に共通する「Vカット台紙と金モール調の額装イメージ」が、英国王室のサロンのような統一感ある空間を演出します。

① 《Darnley》:高潔なる忠誠の肖像
ヴィクトリア女王の愛犬とされるコリーを描いた、本セットの核となる一作。物語的な演出を排し、犬を「一人の人格(犬格)」として真っ向から捉えた肖像です。その知的な眼差しと落ち着いた佇まいは、王室の品位と節度を体現しており、観る者に静かな感動を与えます。

② 《Noble(庭で寝そべる)》:静寂の番人
同名のコリー犬が、庭園という「家庭と社会の境界」で見せる半覚醒の姿。休息の中にも宿る凛とした警戒心は、支配ではなく「責任」によって家を守る理想的な忠誠心を象徴しています。屋外の光が毛並みを美しく照らし出す、バーバーの写実力が光る逸品です。

④ 《A Family of Pugs》:情愛のコミュニティ
七匹のパグが成犬・子犬の垣根を超えて集う、非常に珍しい構成の作品です。上流階級に愛されたパグを「家族」という単位で描くことで、ヴィクトリア朝が重んじた「家庭の美徳」と「無垢な親密さ」を、人間を介さずに犬たちの姿だけで描き出しています。








