
レオナルド・ダ・ヴィンチの至宝『モナ・リザ』。 昨年の夏から、日々の合間を縫ってこの名画のデジタル修復に取り組んできましたが、その道のりは想像以上に険しいものでした。
昨年末には、目立つ大きなひび割れの除去や、デコルテから腕にかけての肌の修整を一度公開しました。しかし、その後2月から3月にかけて『ミラノの貴婦人の肖像』『ジネーヴラ・デ・ベンチの肖像』『白貂を抱く貴婦人』といったダ・ヴィンチの名作群を次々と修復していくうちに、自分の中で一つの思いが強くなりました。
「やはり、モナ・リザをこのままにしてはおけない」
そう決意し、再びこの最高傑作への再チャレンジが始まりました。
執念の修復、5月12日に「一応の完成」へ
ゴールデンウィーク期間中、せめて「手」の部分だけでも完成させたいと意気込んで挑みましたが、やはり『モナ・リザ』は手強かった。蜘蛛の巣のように張り巡らされた微細なひび割れとの格闘。
約20時間に及ぶ作業を経て、5月12日、ようやく納得のいく「一応の完成」を迎えることができました。今回は、その劇的な変化を「修復前・途中・修復後」の比較画像とともにご紹介します。



修復の手法
作業は主にPhotoshopを使用しています。 基本となるのは「コピースタンプツール」と「修復ブラシツール」による地道な手作業です。その上に色調補正レイヤーやぼかしレイヤーを幾層にも重ね、当時の色彩と滑らかな質感を再現していきました。
修復の様子(動画)
こちらの動画は、コピースタンプと修復ブラシを使い続ける約20分間の作業風景です。 ひたすら細部を整えていく、ある意味では「退屈」な映像かもしれません。しかし、一筆一筆ひびを消していくプロセスに、デジタル修復の真髄が詰まっています。職人の手仕事の裏側を、ぜひ覗いてみてください。
※本解説は、作品を味わうための一つの見方として構成したものです。 見る方それぞれの経験や感性によって、異なる春の表情が立ち上がることを、ぜひ楽しんでいただければ幸いです。
※画面で見ている色と、実際にプリントした色は、どうしても少し違って見えることがあります。これは、モニターの表示方法やプリント用紙・インクの違いによるものです。その点をご理解のうえ、お楽しみいただければ幸いです。
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